タイトルイメージ
本文へジャンプ

1 題材の目標   2 題材の評価規準 3 主な学習内容と評価 アドバイス 資料


1 題材の目標

日本の国土の70パーセントは山林である。樹木は平地にも多く見られる。私たちは、木の中で暮らし、木の恩恵をたくさん受けている。しかし、緑とともに生活している割に、身近にある木は加工されたものが多く、普段じっくりと木を観察することは少ない。
学校には、創立時に植樹されたと思われる樹齢百年を超える木を始めとし、多くの種類の樹木がある。毎年、9月の中頃になってさわやかな秋の訪れを感じる頃、教室を飛び出して校庭へと出かける。11月の肌寒くなる時期まで、毎時間外へ出て自然と対話をするのである。
写生が始まると、生徒たちは自然が日々刻々と変化していることに気づいてくる。
雨の次の日は、木がしっとりと濡れ黒ずんで見える。サルスベリの木は樹皮がめくれ、巻き付いた草花はあっという間に背を伸ばす。日差しも、できる影も、昨日と同じものは何一つないことに気づくのである。
物の表面の形や色に心を奪われていた生徒は、絵づくりのために何をどう描いたらよいかに悩む。しかし、それがまた絵を描く楽しさでもあることを知る。
この授業は、校庭にあちこちに分散した生徒と、少しずつであるが、毎時間話ができる機会でもある。普段教室では他の生徒の存在を気にするシャイな生徒とも話しやすい。遠近の表し方や茂った葉の表し方など、困っていることが比較的明確にわかるのでアドバイスもしやすい。確かな描写力が身に付くことが、この題材の目標である。


2 題材の評価規準

関心・意欲・態度 芸術的な感受や表現の工夫
自然の中にある美の法則を感じ取り、自分の表現の中に取り入れたいと思っている。 刻々と変化する樹木とそれを取り巻く環境の変化を観察し、その樹木の表情に適した描写方法を選んで表現しようとしている。
創造的な表現の技能 鑑賞の能力
全体の中の部分、部分の中の全体という自然界のフラクタルな関係を感じながら、自然が作るフォルムやリズムを絵に取り入れようと工夫している。 自分とは違ったものの見方やとらえ方、線や形の表し方を知り、その良さや特徴を認めることができる。

1 題材の目標       2 題材の評価規準